リサーチノート No.10テーマ:不確実性
未知を単独で記録する:10期目のリサーチノートの不確実性
今日はデータ欠落、AI判断の分岐、サンプルサイズ不足の3つの観点から、どの結論がまだ下せないかを記録します。直近のスキャンで通過した銘柄は74件ですが、審査会で通過したのは27件のみです。ポテンシャルランキング上位10銘柄の大半には審査通過の記録がありません。クローズ済みシグナルはわずか1件で、勝率100%には統計的な意味がありません。私たちがこれらの不確実性を公表するのは、リサーチノートが取引シグナルと誤解されないようにするためです。
この記事のポイント- 直近のスキャンで通過した銘柄は74件ですが、過去24時間の審査会で通過したのは27件のみで、大半は依然として観察中です。
- ポテンシャルランキング上位10銘柄のうち、現在ASTRとCELRのみが審査員4名全員の「買い」4票による通過記録を持っており、他の銘柄は買いリストとして扱うことはできません。
- クローズ済みシグナルはわずか1件で、勝率100%や1件あたり平均9.89%は、この手法が有効である証拠にはなりません。
スキャンファネルの中の「未知」
今日の最新スキャン(スナップショット)によると、Binance USDT現物取引ペアは合計519件、時価総額が調査対象範囲内にあるのは271件、全ての必須条件を通過したのは74件でした(図1)。必須条件を満たさなかった理由の件数は、リスクタグ付き168件、時価総額が調査対象外208件、まだ底値圏にない32件、流動性不足または不安定16件、ほぼ取引がない1件、上場からの期間が短すぎる4件です。
これらの数字が示すのは、ルールエンジンが74件の銘柄を次の段階に進む資格があると判断したものの、「必須条件を通過した」ことは結論を意味せず、それらがすべてAI審査を通過するわけでもないということです。特に注意すべきは、未通過理由の集計には重複が含まれる可能性があり、私たちはエンジンが出力した分類を記録するのみで、合算計算は行っていない点です。
ポテンシャルランキングは通過リストではない
図2はポテンシャルランキング上位10銘柄のポテンシャルスコアと高値からの下落率を示しています。YGGはポテンシャルスコア68、高値からの下落率91%;CITYは62、下落率75%;ASTRは60、下落率81%;CHRは58、下落率83%;MBLは57、下落率84%;ILVは57、下落率82%;CELRは56、下落率73%;MAVは55、下落率86%;LAZIOは54、下落率72%;GMTは54、下落率84%。
ポテンシャルランキングはルールエンジンがスコアリングした結果であり、AIが選んだものではありません。これらのスコアは、底値形成、バリュエーション、出来高などの次元をルールで定量化したものに過ぎず、高値からの下落率が大きいことは割安であることや将来値上がりすることを意味しません。上位10銘柄のうち現在、公開された審査通過シグナルに入っているのはASTRとCELRのみで、いずれも審査員4名全員の買い票による通過です。他の銘柄には対応する審査通過の記録がまだありません。ポテンシャルランキングを見た人は、それを直接買いリストとして扱うべきではありません。
審査会における意見の相違とレッドフラグ
過去24時間の審査会では、審査入りが42件、通過が27件、レッドフラグによる拒否が11件、賛成票不足が3件、審査中が1件でした(図1)。レッドフラグの内訳は、上場廃止の公告済みまたは監視対象入りが9件、プロジェクト停止が1件、近いうちに大口ロック解除が1件です。
4名の審査員の立場分布(図3)によると、ファンダメンタルズ分析担当は買い5票、様子見1票、回避0票;懐疑派は買い6票、様子見0票、回避0票;テクニカル担当は買い4票、様子見2票、回避0票;リスク管理担当は買い25票、様子見5票、回避12票でした。リスク管理担当の回避12票は他の3名より明らかに多く、リスク管理の観点からかなりの数の銘柄が受け入れ不可と判断されたことを示しています。この意見の相違こそが、私たちが「回避」票を残している理由です。それはAI判断の不確実性を顕在化させ、多数決で異なる意見を覆い隠さないためです。
実績とオンチェーンデータはまだ薄く、結論を下せない
過去24時間のオンチェーンの大口送金データによると、取引所への入金は10件、金額0.69百万ドル、対象5銘柄;取引所からの出金は3件、金額0.25百万ドル、対象1銘柄;大口同士の送金は119件、金額17.13百万ドル、対象25銘柄でした。これらの金額と件数は非常に小さく、参考価値は限定的です。
公開実績については、クローズ済みシグナルはわずか1件で、勝率100%、1件あたり平均9.89%、中央値9.89%、最大ドローダウン0%、保有日数4.4日です。保有中シグナルは13件、直近7日間でクローズ0件、利益確定0件です。イグジット理由は、N%上昇による利確が1回です。クローズ済みサンプルが1件しかないため、この勝率100%には統計的な意味がなく、それをもってこの手法が有効とは言えません。損益比率は現在nullで、計算もできません。私たちはこうした「まだ結論を下せない」数字を隠さず、そのまま公表します。
ユーザーにとって何を意味するか
今日のテーマは不確実性です。私たちは未知を単独で記録することを選びました。スクリーニングファネルでは74件が通過しましたが、その大半には公開された審査通過の結果がありません。ポテンシャルランキング上位10銘柄の大半にもAI通過の痕跡はありません。リスク管理担当は12票の回避を出しており、AI審査であってもロールごとに明確な意見の相違が生じることが分かります。クローズ済みシグナルはわずか1件で、勝率や収益率についてどのような結論を出すのも時期尚早です。
ユーザーにとって、これらの制約は、皆さんが目にするデータが結果ではなくプロセスに過ぎないことを意味します。私たちが失敗や不確実性を公表するのは、誰も「リサーチノート」を「取引シグナル」と誤解しないようにするためです。サンプルがさらに増えれば、今後のノートでこれらの数字を更新しますが、今日お伝えできるのはここまでです。


